この五年ほど一三〇円から一四〇円の間で推移している。長期間「新発債(現物)が市中で順調に消化されていて、ときにプレミアムがつくこともある」と報じられてきた。銀行によって差はあるものの、銀行の定期預金は一年もの〇・三五パーセント前後、一〇年もの〇・七五パーセント前後であるから、銀行は新発債を買い、満期まで所有すれば業務純益が上げられる。それだけを見れば、安全な運用である。銀行が国債を買っているのは、有力な大口の融資先が減っているからである。横浜銀行が転換社債で自行の自己資本比率を高めたように、優良企業はゼロクーポッの転換社債MSCB(株式への転換価格を自由に変動できる社債)を発行し、金利ゼロ資金を調達している。電力会社などで普通社債を発行するケースが増えている。間接金融から直接金融への転換と見ることもできる。かつて、銀行の大口融資先であった三井物産、三菱商事、住友商事などの総合商社はロンドンの国際金融市場で日本の銀行より低利で直接資金調達できるようになった。
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