築23年の中古住宅をリフォームしたいけど……

2011.09.30

30代の若いご夫婦から中古住宅を購入し、リフォームをしたいので現地を見て問題がないか調査をしてほしいとの依頼がありました。仲介業者の営業マンは、「しっかりした家でリフォームすればまだ20年は問題なく住めます」と言っているそうです。中古住宅の調査は目視が原則で、「構造体がどうなっているか、防水工事がどうなっているかを判定するのは困難です」と説明すると、それでもプロの目線でありのままを見てほしいとのことでしたので、調査をすることになりました。現場に到着し、双眼鏡で屋根・外壁回りをひととおり見ましたが、サイディング(外壁材)の目ズレを起こしている箇所があり、基礎を見ると建物のほぼ中央部分に構造クラックがあります。この土地のロケーションは、南傾斜で南側は一部盛り土をして擁壁を設けていることがわかります。盛り土部分は、5センチ程度沈下していることもわかりました。この段階で私の出した結論はNGですが、せっかくですから内部も拝見しましょうということで、玄関土間から廊下にあがったとたん、廊下が南側に傾斜していることが体感できました。念のため水準器で傾斜を計測すると、なんと2%もの勾配です。つまり100センチで2センチ下がっているわけです。玄関の外壁の傾斜も、南側に傾いていることが水準器でわかります。これ以上調査する必要もないと判断した私は、ご主人に耳打ちして調査を終了させ、不動産業者と別れてから、リフォームするには適さないので売り主に解体をしてもらい、更地なら購入を検討したほうがいいとの結論を伝えました。実は明後日契約をすることになっていたとのことですが寸前で中止できることになり、更地の条件で交渉をするということにしますとの回答が返ってきました。もちろん、すべての中古住宅がこのように問題があるわけではありません。この建物は、敷地そのものが南側を盛り土し、長い年月の開に不同沈下を起こし、その影響で建物が傾いてしまったという特殊事例です。

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